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ぬり薬の使い心地
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先日、「ぬり薬」は病変に直接アクセスできるから、皮膚疾患の治療にはとても効率的だと紹介しました。
今回はその使い心地、つまり「ぬり心地」についてのお話です。
「ぬり薬」は、有効成分が「基剤(きざい)」に溶かしこんで作られています。
「ぬり心地」のほとんどは、この「基剤」の性質によって決まります。
大きく分けると、「基剤」は油である「軟膏(なんこう)」、水である「ローション」、その中間の「クリーム」があります。
「軟膏」「クリーム」「ローション」では、右に行く程ぬり心地は良くなりますが、一方で刺激感は強くなります。
私たち皮膚科医はぬり薬を選択する時、より有効成分が効果を発揮しやすいように基剤も考えます。
「ローション」の方が伸びがいいし、楽なのですが、たとえばじくじくしたところにはかえって刺激になり、病変を悪化させる可能性もあります。
一方で「軟膏」はべとついたり、テカったり、昔ながらのおくすり感が強いですが、しっかり病変を覆ってくれますし、刺激は少ないのです。
冬場のこんな乾燥する時期、ガサガサが強いところにかっちり「軟膏」を塗ることで、効率的に炎症を抑えられることもあります。
「軟膏だとべとついて不快」という意見から、「クリームだと塗った気がしない」といった感想など、ぬり薬から受ける印象は人それぞれですが、効果を上げるために必要な「ぬり心地」もある、ということです。
「ぬり薬」のことをよく知ってもらって、面倒な「ぬり薬」でも、愛おしく感じてもらいたいものです。
「ぬり薬」あれこれについては、今後も是非皮膚科でご相談ください。
追伸
しっかり「逃げ恥ロス」になりました。
会話の端々で、「はんぱなーい」とか「ちょっといいやつ」とか言ってしまう今日この頃です。
年末はエレクトリカルな写真で。「にきび」の講演会に参加したときのものです。
1年はあっという間で、もう今夜は年末恒例のボクシング世界戦祭りですね。
今年も多くの方に支えられ、充実した1年を過ごすことができました。
皆様、大変お世話になりました。
来年もスタッフ一同真摯に対応させていただきますので、今後ともどうぞよろしくお願い致します!