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「化粧品かぶれ」を心配する前に
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「化粧品にかぶれた!」と言って受診される方はとても多いです。
もちろん化粧品の成分そのものが原因となって皮膚が荒れることはありえますが、意外にそういうことは少ないようです。
(持参化粧品によるパッチテストで陽性を呈したのはたった2.4%という、専門施設からの報告もあります。(皮膚アレルギーフロンティア16, p46-7, 2018))
多くの方は、化粧品を変えても、肌がひりついたり、かゆみを繰り返します。
つまり、元々の皮膚の状態が悪いから、化粧品が刺激になっているのです。
この場合、皮膚の状態を整えてしまえば、同じ化粧品を使用できる可能性が高まるはずです。
では、皮膚の状態を整えるには何が大切か。
多くの方々が意識されている通り、「遮光」や「保湿」はとても大切です。
日焼けして肌に良いことナシ!と考えるべきで、特に紫外線にさらされやすい顔面は、しっかりと日よけをする必要があります。(日よけについてはサンスクリーン剤にこだわらず、総合的に行いましょう!2016年8月のブログもご参照ください。)
なおかつ「保湿」もちゃんとしてるのに皮膚が荒れやすい、という場合は、「洗顔」の方法を少し考えてみると良いかもしれません。
顔を洗うのに洗浄剤を使うのが当たり前と考えていませんか?
化粧をメイク落としで落として、なおかつ洗浄剤で洗う(いわゆるダブル洗顔)が日常的ということはありませんか?
「だって化粧品を落とさないと、残った成分が皮膚を傷めるじゃない!」というご意見もあるかもしれません。
でも知っていただきたいのは、いくら泡で優しく洗っても、洗浄剤を使うということは皮脂を落としてしまう行為であり、かえって肌の状態が悪くなる可能性もあるのです。
化粧はメイク落としのみで優しく落とし、あとは「水」か「ぬるま湯」のみで優しくすすぐ、それだけでも十分な状況は案外多いのではないでしょうか。
お肌が強くてトラブルがなければ、いくらだって洗顔したって良いのかもしれません(極論ですが)。
しかし年齢によって肌の状態は変化し、必ずや、今までの当たり前が通用しなくなる時が来てしまいます。
皮膚は外の世界に接していますので、周囲の環境(居住地域の気候、空調など)だって大きく影響します。
化粧、化粧落とし、洗顔をルーチンとして一定の方法で続けた場合、このような変化に対応できない可能性が出てきます。
対応できなくなっているのに、むしろ「海外化粧品」「アンチエイジング」や「美白」など足す事ばかりに走ってしまうと、かえって肌のトラブルを増強させることになりかねません。
スキンケアは「やった気になる」よりも、「続けられて、効果的」であることが大事で、絶対的な方法というのは存在しません。
「化粧落とし」や「洗顔」が行き過ぎていないか、いつでも意識しておくことは有意義でしょう。
「化粧品かぶれ」を疑って使用できない化粧品が増えるよりも、健やかな肌でトラブルなく化粧品を使えた方が、皮膚も生活も潤いますね!
追伸
NHK番組「デザインあ」、何気なく見かけると、ふとチャンネルを止めてしまいます。
現在東京で行われている「デザインあ展」に行ってみたのですが、身の回りのモノが面白い対象になるって新鮮ですね!