アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎の塗り薬の使い方

今回は「アトピー性皮膚炎の塗り薬をいかに使いこなすか!」です。

 

塗り薬を使いこなすためには、その役割を知っておくことが大切です。

塗り薬には大きく2種類あります。

「皮膚炎を抑える塗り薬」と「予防、維持していく塗り薬」です。

 

まず、かゆみや赤みがある場合はもちろん、触った感触がざらざらしているような状態は炎症が起こっているサインなので、「皮膚炎を抑える塗り薬」をしっかり使います。

具体的には、ステロイドを中心とした、抗炎症作用のある塗り薬のことです(強い薬と呼ばれることも多いです)。

このタイプの薬はメリハリが大事で、短期間に集中して、たっぷり塗ることが大切です。

中途半端に塗ると、十分に炎症が治まりません。炎症が治まらず、だらだら長期間塗り続ける方が、副作用が出現しやすくなります。

皮膚炎とは文字通り「炎(ほのお)」とイメージできます。

一気に大量の水をかけないと炎は消えません。(メリハリつけて短期間でたっぷり塗ることです。)

ちょろちょろ少しずつ水をかけていれば、炎はくすぶり続けます。(強い薬を怖がって、塗る量を少なくしたり、中途半端な強さのものを使用したりすることです。)

そして症状が落ち着いた後は、「予防、維持していく塗り薬」の出番です。

「バリア障害」と言って、もともとの皮膚の傷みやすさがあるのがアトピー性皮膚炎なので、放置したらまたすぐに元に戻ってしまいます。

そこで、皮膚炎を起こさないように「予防、維持していく塗り薬」が必要になるのです。

ここでは保湿剤が中心になります。

しかし実際には保湿剤だけでは効果が不十分なことも多く、塗っているのにぶりかえしてしまうことを経験します。

ぶりかえしていることにすぐに気づいて、またすぐに「皮膚炎を抑える塗り薬」をパッと使ってしまうことが理想ですが、皮膚炎があるかどうかを見極めるのは必ずしも簡単ではありません。

最近では、目に見えないレベルの皮膚炎があることを想定して、調子が良くても定期的に「皮膚炎を抑える塗り薬」を使っていこうという治療法(プロアクティブ療法)がかなり一般的になっています。

 

何種類もの塗り薬を使い分けるというのも面倒なものです。

良い状態で、「予防、維持していく塗り薬」だけで続けていければ、塗り薬の種類は最小限で済みますし、何よりかゆみのでにくい肌質を維持できることになります。

現状の治療では、最小限の面倒を、習慣にして受け入れてしまうのがよいのではないかと思います。

どこにどれくらい塗るべきかはそれぞれの人で異なりますので、具体的な塗り方については皮膚科でご相談いただければと思います。

 

追伸

今年もあとわずかになりました。

個人的には、今年はとにかく自転車(ヒルクライム)にハマって、知らぬ間に10kg弱、痩せていました。。。

群馬の冬は風が強いので、年末年始はローラー台で家の中でぬくぬくと、ペダルを回そうと思います。

本年も皆様には大変お世話になりました。

日々皆様と向かい合う中で、私自身力をいただきながら、充実した1年を過ごすことができました。

来年も引き続きご高配のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

news

news

Instagram

Instagram