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アトピー性皮膚炎治療のキモ!「程度の判断」
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アトピー性皮膚炎についての続きです。
治療を続ける上で、もうひとつ大切なポイントがあります。
それは、「症状の程度の判断」です。
アトピー性皮膚炎の場合、長年かゆい状態が続く中でかゆみに慣れてしまっていたり、もっと悪いときと比較してしまうことで、良い状態を過剰評価してしまう、ということがあります。
抑える薬(強い薬)を、本来塗ってほしかった部位に塗ってもらえなかったり、まだ炎症が残っているのに塗るのをやめてしまっている、ということをよく経験します。
この場合、炎症がくすぶっているため、もっと悪い状態になる(または悪い状態に戻る)のは簡単です。
不十分な治療を繰り返していると効果を実感できないことになりますから、せっかく’’薬を塗る’’という手間をかけているのにもったいないですね。
症状としてかゆみがある、というのはもちろんまだ悪い状態である可能性は高いです。しかし、かゆみが治まっても病変が残っていることはよくあります。
「かゆみがない」=「調子がよい」ではないのです。
「皮膚炎がない」=「調子がよい」(=「かゆみもない」)なのです。
問題は、皮膚炎があるかないかの見極めはなかなか難しいということです。
皮膚炎の有無の判断の基本は、やっぱり「見る」ことと、「触る」ことです。
肌をよく見た時に、「赤い」とか「ブツブツしている」「粉を吹く」などというのは炎症のサインであることが多いです。
また触ってみた時に、「何か違和感がある」とか「ざらざらしている」と感じる時も炎症がある可能性があります。
実際にはこのような状態を判断するのも皮膚科医の仕事ですので、通院を繰り返す中で皮膚科医と判断を共有していくのがよいのではないかと思います。
よく「保湿はしているんだけどかゆみが取れない」なんてことを聞きます。
この場合、ただ「乾燥しているだけ」と思っている皮膚の状態が、実は炎症が起きている状態(=皮膚炎)であることが多いです。
赤くなくても、細胞レベルで炎症が起きていることもあるのです。
この場合、「保湿」だけでは不十分で、炎症を抑える薬が必要になる、ということになります。
良い状態だと思っていても通院していただけると、皮膚科医と判断基準を一致しやすくなり、使うべき薬も判断しやすくなります。
「的確に薬を使って症状をコントロールする」というのは案外難しく、慣れるまで試行錯誤が必要だと思います。
皮膚科医には、「薬の選択」だけでなく、「塗り過ぎ」や、「塗りが足りない」ことをアドバイスする役割もあります。
お互いにコミュニケーションを取りながら、アトピー性皮膚炎の捉え方を共有できるような環境を作っていきたいと思っています。
追伸
今年もハルヒル(榛名山ヒルクライム)、エントリーしちゃいました!
1年前はあんなに後悔していたのに、今年は楽しみだったりして。
暖かくなるまで、ローラー台練習です!
だんだん、自転車乗りのブログみたいになってきました(^^;;
「CYCLE SPORTS」という雑誌にも、ちょっと載ってしまいました。