-
群馬乾癬友の会「からっ風の会」
-
尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)。
厚いかさぶたのようなものを付けた赤い発疹が特徴の皮膚疾患ですが、症状を繰り返し、なかなか頑固です。
都道府県単位で全国各地に「乾癬患者の会」が次々と増えており、正しい知識を得たり、意見交換したり、乾癬に立ち向かう気持ちを高める場となっています。
群馬県では、「群馬乾癬友の会、からっ風の会」というものがあり、多くの患者さんやそのご家族、ご友人が参加されています。
5月24日、からっ風の会が開催している「第18回群馬乾癬患者勉強会&患者交流会」が前橋市で開かれましたので、私も(前半だけですが)参加してきました。
今回の勉強会は乾癬を専門にしていらっしゃる先生の講演に始まり、Q&Aコーナー、そしてお茶をしながらの交流会というメニューで、感じることの多い充実した時間を過ごせました。
Q&Aコーナーでの一幕。熱心に質問に答える先生方です。県外からもいらっしゃっています。
乾癬の治療法は数年前に「生物学的製剤 」という新しい注射薬が使えるようになり、劇的な効果が得られるようになりました。
ただ生物学的製剤の使用は現状では可能な施設も限られていますし、すべての乾癬患者さんに使われるべき薬とは言えません。
「乾癬」と一言で言っても、一人一人病状や程度は様々で、それぞれの方に応じた悩みがあり、それぞれの方に適した治療があると思います。
生物学的製剤以外にも日本では2000年以降、新しいシクロスポリン製剤(内服薬)、高濃度活性型ビタミンD3製剤(外用薬)が発売されたり、ナローバンドUVB療法(紫外線療法)が行われるようになったり、乾癬に有効な治療の選択肢は増えてきています。(昨年も新規外用剤が発売され、1月のブログで少し触れました。)
乾癬の病状だけでなく、年齢、性別も含めたライフスタイルなどを考慮して最適な治療を決めていく必要があり、その選択を適切に行うためには「乾癬」という疾患についての正しい知識も必要になります。
医師の立場としては診療の場でこのような情報を適切にお伝えしたいと思っていますが、限られた時間の中不十分な点もあるかと思います。
このような勉強会などを通し、乾癬に関わる多くの人々の間で知識や認識を共有し、患者さんそれぞれが納得のいく治療を選択できるのが理想と考えます。
「乾癬」に関わる方々で、本会に興味のある方は、当HPの「一般皮膚科」のページで「からっ風の会」へのリンクを貼っておりますので是非ご覧ください。
今後も勉強会開催などの情報は院内に掲示していきたいと思います。
追伸
学生時代、皮膚科の教科書に並ぶいかめしい病名に皮膚科への抵抗感を感じたものです。
今回の「尋常性乾癬」だけでなく、「尋常性ざ瘡」、「伝染性膿痂疹」、「掌蹠膿疱症」、「水疱性類天疱瘡」、「ジベル薔薇色粃糠疹」、、、などなど。
ちなみに「尋常」とは「特に変わった点のないこと。あたりまえ。」といった意味ですが、この病名自体が尋常ではない気が!?
「乾癬」という言葉も「感染」と結びついて伝染するようなイメージを持たれることもあるようですが、「乾癬」は「感染」しません!
ちなみに簡単に言うと、2番目は「にきび」、3番目は「とびひ」です。
漢字の正式名称で認識すると、まったく違った大仰な疾患に思えてしまいますね。