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にきびを治そう2016
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今年もにきびの新薬が2種類増えました!
ここ数年、にきび治療がどんどん進歩してます。
にきび治療が進歩し始めたきっかけは、2008年に「ディフェリンゲル」が使用できるようになったことです。
それ以降、にきびを予防し、維持していこうという治療が可能になりました。
昨年、そこに「ベピオゲル」と「デュアック配合ゲル」が加わり、選択肢が増えました。
「にきび」と言っても、様々なタイプがありますし、肌質も人それぞれです。
どの治療がそれぞれの方に最適かは、多少試行錯誤しながら見つけていくことにはなりますが、にきびを「コントロール」できる時代になったことを実感します。
どの方にどの薬剤を使うべきか、についてはまだ一般的な答えというものはありません。
個人的には、ティーン世代のにきびには「ディフェリンゲル」、若い女性の周期的に出現するにきびには「ベピオゲル」が使用しやすいという印象を持っています。
さて、ここに今年(というか今月)、新薬「エピデュオゲル」が加わりました。
これは上記の「ディフェリンゲル」と「ベピオゲル」がひとつになっている薬です。
「ディフェリンゲル」と「ベピオゲル」はそれぞれにきびを予防する効果を持っていますが、効果の出方には違いがあり、これまでも両者を併用することで効果が高まることが多々ありました。今後はひとつの薬で対応できる分、使用しやすくなります。
一方で、それぞれの薬で起こりうる、刺激感や赤みなどの症状は、単独で使用するより起こりやすい可能性があり、注意も必要です。
しばらくは、どちらかの薬剤をすでに使用している方が試していく薬剤になると思いますが、効果が楽しみです。
私も実際にディフェリンゲルから切り替えて使用していますが、これまでは問題なく、順調に塗れています(まだ効果を評価できる段階ではありませんが)。
では「ディフェリンゲル」以前はどんな治療をしていたか、といえば、「赤にきび」の炎症を抑える、いわゆる抗炎症治療が主体でした。
にきびは「慢性」の「炎症性疾患」ですので、一時的に炎症を抑えてもまた必ずぶり返す、というのがにきび治療の大きな問題だったのです。
今では、このような抗炎症治療を、上記の予防・維持治療に上手に組み合わせていくのが大切と考えられています。
今年は、抗炎症治療として使われる抗菌薬「ゼビアックスローション」も発売されました。(にきび用の抗菌薬が新薬として市場に出るのは、「ダラシン」以来14年ぶり!)
このような薬剤を上手に利用して、にきびをコントロールしていきたいものです。
にきびでお悩みの方は、是非皮膚科でご相談いただき、ジックリ腰を据えて治療していただきたいと思います。
追伸
ご存知の通り(!?)、11月12日は「皮膚の日(イイヒフ)」です。
それもあって、例年11月は皮膚や皮膚疾患の情報を得られる行事が開催されます。
私も、「皮膚の日」市民公開講座や、群馬乾癬友の会「からっ風の会」の勉強会に参加してきましたが、改めて皮膚のことを考えるよい機会になりました。
そんな中、今年も群馬県は「美肌グランプリ」最下位を獲得してしまいました。(2年連続3回目)
長い日照時間やからっ風による乾燥など環境がキビシイ!
だからこそ、体の一番外側で私たちを包んでくれているお肌のことをたまに考えて、やさしくいたわってあげたいものです。
今後も当院では上記のような行事の情報を掲示していきますので、ご興味ある方は是非ご参加ください!
ちなみに、私の身内が先日「美肌グランプリ」のモニターになったようです。来年のグランプリで少しでも群馬の順位が上がりますように!