「あかぎれ」と「しもやけ」について
「あかぎれ」や「しもやけ」はよく聞く皮膚病ですが、どんなものでしょうか?
どちらも寒くなって、乾燥してくる冬に生じやすい皮膚病です。手足などの末端に出来
やすいようです。
「あかぎれ」はどんな皮膚病ですか?
「あかぎれ」は、冬に多いのですが、皮膚が乾燥してきて、亀裂といいますが、皮膚に
ひびが入って裂けてしまった状態をさしています。特に水仕事の多い主婦の手などに多
い状態です。そうした状態を「主婦湿疹」と呼んでいます。勿論女性だけでなく、仕事
(床屋・パーマ・調理師など)で男性にも生じてきます。冬になると踵(かかと)の皮膚が
乾燥し、ひびの入った状態などもそうです。
それでは「しもやけ」はどうでしょうか?
「しもやけ」は正式には「凍瘡(とうそう)」といいます。
冬になると手足が紫紅色になり、冷たくなってくる状態です。皮膚科的には、たる柿の
ように全体が赤くなる型(たる柿型)と皮膚面から扁平に高まった発疹(多型滲出性紅
斑型)との2つの型があって、前者は子供に後者は大人に多いとされています。
かゆみを伴うことが多く、特に寝床に入ってからひどくなります。最近は少なくなってきま
したが、ひどくなると潰瘍や水疱(みずぶくれ)になります。
もちろん手足ばかりでなく、耳や鼻などにもできます。
その原因は、寒さのために血液循環が悪くなるからだと言われています。
「レイノー現象」という言葉がありますが?
しばしば「しもやけ」だと見逃されている症状ですので気をつけなくてはいけません。
レイノー現象の場合は、寒くなると指先が白くなって紫紅色そして赤くなるといった一過
性の状態をさしています。しばしば膠原病という難病の部分症状ですから、「しもやけ」
を含めて、レイノー現象のある方は一度専門医に見てもらった方がよいでしょう。
「あかぎれ」や「しもやけ」の予防や治療はどうするのですか?
「あかぎれ」の場合、原因を除去するようにすることが大切です。洗剤などの使用頻度
が多ければ減らすようにしましょう。あるいは、食器を洗うとき手袋を使用することもよい
方法です。最近ラテックス手袋の成分でショックを起こす人が報告されていますので、
下に木綿の手袋をすることをお薦めします。予防がとても大切な皮膚病です。
「しもやけ」はできるだけ手足を冷やさないようにして下さい。特に急激な温度変化
がいけません。手袋や厚めの靴下の着用なども重要なことです。毎日手足をマッサージ
することも効果があります。入浴時に温水と冷水に一分程度交互につける温冷交互浴
も効果的と云われています。
いずれにしても、「あかぎれ」も「しもやけ」もちょっとひどいと思ったら、是非皮膚科専
門医の診察を受けてください。
( FMラジオ高崎で放送したものです )